しっかりデータを積み重ねてから書きたい気持ちはあるのですが、今日は疲れてるのでアウトラインのみ。

  1.  網羅的な遺伝子発現解析の手法の一つにSAGEやMPSSがある。これは、cDNAの特徴的な短い配列(Tag) のみをライブラリ化してシーケンス解析して、シーケンス中に占めるTagの出現回数で遺伝子の発現程度を測定する手法だ。 この手法のランニングコストは、ほぼシーケンスのコストに従う。
  2. マイクロアレイは発明からされてから今年で10年目。生物種を選ぶ発現解析プラットホームだ。 解析コストは初期よりは下がってきたものの、もっとスケールメリットが出ないとあまり普及しないだろう。
  3. コンピューターの性能向上を言い表す「ムーアの法則」というものがある。コンピューターの性能は18ヶ月で2倍になる、 というものだ。この10年間に限って言えば、シーケンス決定のコストは5年ごとに1/10になっている。この傾向を外挿すると、 10年後にはSAGEやMPSSのコストは1回当たり1万円以下になる可能性がある(今、100万円としても、5年後には10万円、 10年後には1万円)。
  4. マイクロアレイのコストは、この10年間に1/10には下がっていない。 (イネ44Kアレイは4反復で10万円以下であろうから、1/4-1/5くらいにはなっているか?)
  5. 従って、SAGEやMPSSのコストはいずれは、マイクロアレイを下回る可能性がある。
  6. SAGEやMPSSはゲノム情報が完備していない生物にもある程度適用できるので、マイクロアレイよりも潜在的な需要は大きい。

 ということで10年くらいのスパンで考えると、いずれマイクロアレイは消え行く宿命にある・・・のではないだろうか。だとしたら、アレイを使った大規模解析の「旬」はあと10年以内かもしれない。

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