変なニュース。

郵貯限度額、3000万円軸に 郵政見直しで政府・与党

 政府・与党は郵政事業の見直しで、郵便貯金の預入限度額(1千万円)を3千万円に引き上げる案を軸に調整する。郵貯マネーの流出に歯止めをかけ、運用益を増やす狙いだ。日本郵政グループの雇用では非正規社員の正社員への登用拡大を求める。政府による日本郵政への出資比率を巡っては与党内の意見がなお割れており、8日に開く政策会議などでさらに議論する。

 政府・与党内には郵貯の預入限度額を広げて顧客の利便性を高めるとともに、資金を運用して得られる利益を増やして全国で金融サービスを展開する原資を確保したいとの思惑がある。国債中心の運用も見直し、地方債の購入や地域金融機関との協調融資などを通じて地方に還元する方針だ。 (09:11)

さてさて、預金の上限が1000万円と3000万円でどれだけ違うのだろうか?
総務省統計局のまとめを見てみると、

 二人以上の世帯について貯蓄現在高階級別の世帯分布をみると,貯蓄現在高が200万円未満の世帯が最も多くなっています。世帯分布は貯蓄現在高の低い階級に属する世帯が多く,約3分の2の世帯が平均値1680万円を下回っています。

とのこと。3000万円以上の世帯割合で見ても20%くらいしか関係しない。これは、生命保険や有価証券も入れた場合の金額。預貯金に限っていえば、

 ここで世帯の貯蓄残高が平均値(1680万円)の世帯の預貯金(58.7%)を金額に換算すると、982.8万円。つまり、現在でも郵貯銀行の預け入れ限度額に満たない。
 施策の目的が「郵貯マネーの流出に歯止めをかけ、運用益を増やす狙いだ。」として、預け入れ上限金額を増やすことにどれほどの効果があるのだろう?まあ、金額ベースでは少しは増えるのかもしれないけど。