ゲーテが今際のきわに「もっと光を」と言ったとか言わないとか。ということで、私も、植物ゲノムにも光を!と叫んでおきます。

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日本ではあまりニュースになっていませんが、脊椎動物10,000種のゲノムを解読しようという野心的な試みがスタートしました(と言ってもシーケンス戦略も、ファンドのあてもなさそうですが)。

その名も"Genome 10K"
http://genome10k.soe.ucsc.edu/

Natureでは、

Scienceでは、

最近いろいろなゲノム・プロジェクトが解読終了を公表していますが、シーケンス戦略について言えば、ヒトのリ・シーケンシングを別にすれば、これまで標準的なゲノム配列が公表されてこなかった高等生物では、BACの末端を読んで整列化して、それからコンティグの中身を読むという方法がまだ主流のようです。言い換えれば、いくらスループットが高いシーケンサーでも、数十ベースしか読めないものでは、アセンブルのストラテジーが確立していないために、ゲノムの全体像を明らかにすることはできないということ。

ちなみに2008年にスタートしたタラ・ゲノム・プロジェクトではBACライブラリを作って454 Life sciencesのシーケンサーを使って一種の階層的ショットガン法で読んでいます。これだと1リード400-500 bp(最近は600 bpくらい?)読めるので従来型のソフトウエア+クラスター型のサーバーでアセンブルできるとのこと。

しかし、脊椎動物10,000種ってどうなんですかね。日本産オオサンショウウオとか、ニュージーランド産ツギホコウモリとか、エリマキトカゲとか、どうでも良さそうな・・・失礼、もう進化の袋小路に突入して久しいというか、研究推進のコストパフォーマンスが悪そうな動物も相当数入ってきそうです。

そのくらいなら、コムギ、オオムギ、ダイズなどの作物にもうちょっとリソースを回した方が良さそうなものですがね。そういえば、韓国のキムチ・ゲノム(ハクサイ&トウガラシ)はどうなってるんだろう。

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