昨日、労働衛生協会で胃の内視鏡検査をうけた。

 職場の健康診断のX線検査で胃に潰瘍痕があるとかで、精密検査を勧められたためだ。

 検査の結果、”蛸いぼ状糜爛(びらん)”が見つかった。「胃炎ですね。 3日くらい続けてH2ブロッカーの胃薬を飲んでおけば直るでしょう。投薬はしません。」とのこと。軽度の胃炎まで見つけてしまうのだとしたら、現在の?線検査(CT)の精度は素晴らしいものだ。

 内視鏡検査の経過は概ね次のとおり。

10:20頃、上着を上半身のみのガウンに着替えたあと検査室に通される。

 検査に先立って、検査技師風の50台と思しき女性から「胃液の粘度を抑えるための酵素」と説明された、濁酒程度に白濁した液を30ml程度一気に飲む。その後、水で口をすすぐ。

 検査の概要についてと、ブスコパン注射(胃の蠕動を抑える薬品)の副作用について説明を受ける。説明によると、上腕三頭筋に注射すると消化器官の運動を抑える作用があり、胆石などの痛みを抑える目的で使われる。効果は2時間程度持続するとのこと。副作用として、目の焦点と虹彩の調節が効かなくなるとのこと。また、 1000人に2-3人は発疹が出ることがあるがその場合は別途対応するとのこと。

 何だか、眼底検査に使われるアトロピンみたいだな・・・と思って調べてみると、成分は「臭化ブチルスコポラミン」。スコポラミンの誘導体でした。アトロピンもスコポラミンも良く似た構造のアルカロイドでチョウセンアサガオに含まれている。副交感神経支配の臓器に対する運動抑制はアトロピンより強力で持続的だそうだ。・・・なるほど。

 ということで、1mlくらいのアンプルの注射液を上腕三頭筋に注射される。筋注は痛い・・・。量が少ないほうだから、まだましではあるけど。痛さに目がウルウルしてしまった。

 その後、リドカインの粘液で咽喉の局部麻酔。説明によると舌の根元で溜めると、嘔吐反射の起こる咽頭には麻酔薬が届かないので、うがいの要領で3分ほど咽喉に溜めてくださいとのこと。約3ml程度の粘液をシリンジで咽喉に注入される。

 これが、結構苦い。また、正しい位置に溜めると、声帯が麻痺するんですね。考えてみると当然ですが、声が出にくくなったのでちょっとあせりました。また、気管の方へ流入してくる薬液を反射的に咽喉の力で押し出そうとしているのですが、 麻酔薬なので筋肉が麻痺して反射が働かない。・・・結果、ひどくむせてしまいました。

 後で考えると、そりゃそうだと言う事も現場ではなかなかすぐにはわからないものです。 

・・・おおっと、もう新御徒町だ。胃カメラを飲まないうちに秋葉原に着いてしまう!