世の中バイオマスブームですが、デンプン由来のバイオ燃料にせよ、木質バイオ燃料にせよ、アルコール発酵させるということは糖を酵母に食わせて、そのおこぼれをいただくということに代わりはない。

ということは、酵母にエネルギーをくれてやるわけで、そこでエネルギーの無駄が生じる。そこで、糖からいきなり電力を取り出せれば、その方が効率が良いのではないかと考える人もいる訳で。米セントルイス大学(Saint Louis University)のDr. Shelley Minteer仕事なんかがそれ。

面白いなー、と思っていたら、昨日、SONYブドウ糖で発電する燃料電池の試作をプレスリリースアメリカ化学会ACSで発表とか。原理的には水素を含む有機物からプロトンを引っぺがして電子を取り出し、残ったプロトンを空気中の酸素と結合させるというところは燃料電池そのもの。電子の供給源がブドウ糖ということで、反応生成物としてはグルコノラクトンができる。グルコノラクトンは食品添加物にも使われている無害な物質なので、電池としてはきわめてクリーンだ。

だが、大量にグルコノラクトンが生成されるようになったらどうやって処理したものか・・・。ま、グルコノラクトン自体まだ、微生物にとっては十分餌になる物質なので、発酵させて水と二酸化炭素に分解させるのもアリですね。と、いうことは、やりようによっては、グルコノラクトンでもまだエネルギーが搾り取れるということでもあるのですが。

ちなみに、ソニーの試作品が現在世界最高出力(約50mW)とのことですが、いつの日か実用化されたら楽しいですね。携帯の電池が無くなりそうになったら、あわてて自販機でスポーツドリンクを買うとか、喫茶店のテーブルの上の砂糖を拝借するとか・・・。

そういえば、Back to the future 2のDr. Brownも、コーラを燃料にしてタイムマシンを動かしていたな。

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