米国、遺伝子差別禁止法成立へ

朝日新聞より。


遺伝子診断で保険差別ならぬ 米で禁止法案、成立へ

2008年04月25日10時06分

 【ワシントン=勝田敏彦】米上院は24日、
保険会社が遺伝子診断の結果によって保険加入を断ったり保険料を変更したりすることや、雇用者による就職差別などを禁止する
「遺伝情報差別禁止法案」を95対0の多数で可決した。同法案は、来週にも下院でも可決され、ブッシュ大統領が署名して成立する見通し。

 米国では、将来、がんなどの重い病気になる可能性を知るため、
個人のDNAを採取して塩基配列を調べる遺伝子診断が急速に普及している。同法案は、診断結果が自分に不利な形で使われることを恐れ、
受診をためらう人もいることを背景に提案された。

今のところ、効力は限定的かもしれないが、
理念において非常に優れた法律である。

リスク分散型の自動車保険というものがある。車種、
クラスによって事故率や盗難被害のリスクが異なるため、それに応じて掛け金を変動させるというものだ。もし、
遺伝的に発病リスクが異なるのであれば、生命保険会社や医療保険を扱う会社は、リスク分散型の保険を設定したがるかもしれない。
発病リスクの高い人の掛け金は高く、発病リスクの低い人の掛け金は安く、という具合に。

向こう10年くらいで、個人の全ゲノムの解析が、
個人の手の届く範囲でできるようになる可能性が高い。20-30年先なら、産婦人科のオプションで10万円で
「生まれたお子様のゲノム情報を解析します」と言う時代になっているかもしれない。ゲノム情報は一生涯変わらない(大抵の組織では)
と考えられるので、まさに一生ものの財産になるだろうから。

・・・という展望で考えると、
今の内にゲノム情報による差別禁止を決めておくのは妥当な政治判断だ。

 

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