ミャンマーのサイクロン被害の影響拡大を懸念

ミャンマーのサイクロン被害が甚大なようだ。高潮で家族や家を失った人も少なくないらしい。被害の全貌はまだ明らかになっていないが、
被災者は200万人以上、死者は10万人を超える可能性があると伝えられている。間違いなく、今世紀最大級の災害だ。

被災直後は直接の人的な被害に目が行きがちだが、今回被災したデルタ地帯はミャンマーの穀倉地帯でもある。そのあたりでは、
おそらく2-3期作の水田作が行なわれているはずだ。

今シーズンの作付け分の収穫は無理だとしても、軍事政権は当面の必要量は確保できるとしている。また、
地元では今季の収穫ができなければ都市部では数ヵ月後には米不足に陥るとの見方もある。

しかし、海から高潮を伴って吹き付けたサイクロンの本当の被害は、それには留まらない可能性がある。
耕地に海水の塩分が持ち込まれてしまった場合、長期にわたって塩害が起きるかもしれない。
海水を被ってから大量の雨で洗い流されるのならともかく、今はまだ乾季。5月末の雨季の始まりまで後、2週間ほどある。
人道支援が一段落してからでも良いが、可能であれば現地調査を行なうべきだ。

バイオ・エタノールブームの影響でか、米の国際価格はこの半年で2倍近い高値になっている。
外貨収入をほとんど持たないミャンマーが米を輸入する必要が出てきた場合、調達は非常に難しい。日本政府はこの未曾有の災害に際し、
通常のODAを削ってでもWFPに対する緊急支援と、数年分の支援を表明するべきだろう。

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