「あへん法」規制対象のケシを下妻市が違法に栽培

ビスフェノールAのせいで書き損なっていたエントリー。

うっかりとはいえ、やってしまいましたね。意地の悪いタイトルを付けてしまいましたが、時々新聞はわざわざこんな見出しを付けます。
以下、朝日新聞より。


ポピーの花畑…

ケシでした あわてて焼却 茨城の河川敷

2008年05月14日02時02分


 ポピーの花畑をつくろうと種をまき育ててみたら、ケシだった――。茨城県下妻市などが主催して24日から始まる
「小貝川フラワーフェスティバル」会場に、法律で栽培が禁じられているアツミゲシがあることが13日分かり、
市職員とボランティアら約100人があわてて手で抜き、焼却処分にした。  市によると、
ケシは河川敷の約1ヘクタールにわたり咲いていた。ポピーの花の色は赤で、アツミゲシは薄紫。形状はよく似ているため、
花が咲かないと区別ができないという。

 ケシの種は、市が昨年10月に購入した3種類のポピーの種に紛れ込み、ボランティアら400人がまいた。
ケシだと気付いたのは下妻警察署。「麻薬と知らずに育ててしまった」ため、犯罪性なしと判断された。

 フェスティバルは21年目で、昨年は15万人が来場。ポピー500万本が咲き乱れる花畑を売り物にしている。

法律の規制対象になっているケシには数種類ある。含まれているアヘンアルカロイドの種類によって規制法が異なる
モルヒネ:あへん法、テバイン:麻薬及び向精神薬取締法)。

(参考) http://www.tokyo-eiken.go.jp/plant/keshi-miwakekata.html

今回、イベントのために誤って植えられてしまった”アツミゲシ”
Papavar setigerum)はモルヒネを含むため、あへん法で栽培が規制されているとのこと。
あへん法のリンクはこちら。

(参考) http://law.e-gov.go.jp/htmldata/S29/S29HO071.html

見ようによっては面白い法律です。



第一条
 この法律は、医療及び学術研究の用に供するあへんの供給の適正を図るため、国があへんの輸入、輸出、収納及び売渡を行い、
あわせて、けしの栽培並びにあへん及びけしがらの譲渡、譲受、所持等について必要な取締を行うことを目的とする。


(国の独占権)

第二条
 あへんの輸入、輸出、
けし耕作者及び甲種研究栽培者からの一手買取並びに麻薬製造業者及び麻薬研究施設の設置者への売渡の権能は、国に専属する。


アヘンアルカロイド自体は医療に欠かせない物質なので、危険性を理由に単に規制するだけでなく、
国の厳格な統制下に置くこととしています。・・・なので、その辺にアヘンアルカロイドを含む植物が自由に栽培されては困るわけですね。

それから、あへん法には特定外来生物による生態系等に係る被害の防止に関する法律のような
「防除」の規定がありません。それは、大抵の規制法同様、人間の行為を規制する法律だから。

 

となると、保健所による防除などの行為の法的根拠はどうなってるんだろう。

 

ちょっと気になるのは、憶測ですが、国立大学が国の機関であった間は、法人格は国なので、
薬学部などでケシを栽培する際にも栽培者としての登録は要らなかったのではないでしょうか。どうなんでしょう。 手抜かりは、
無いでしょうね。

 

独立行政法人は、栽培者として国のコントロールの元に置かれることになるはずなので。

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