見解の相違ってやつ

新聞各社の見出しより。



毎日新聞、5年で所得隠し4億円 東京国税局指摘



日本経済新聞


毎日新聞社4億円所得隠し



MSN産経ニュース


毎日新聞に4億円の所得隠し指摘



朝日新聞


2008/05/30-22:46 毎日新聞社、
4億円所得隠し=東京国税局が指摘



時事通信


毎日新聞、5年間で所得隠し4億円…国税指摘



読売新聞


申告漏れ:毎日新聞社が5年間で約4億5800万円



毎日新聞

見出しの書きぶりが各社違っている。記事内容については、
まず読売新聞を引用しておこう。


毎日新聞、5年間で所得隠し4億円…国税指摘

 毎日新聞社が、取材費などを巡り、
東京国税局から2007年3月期までの5年間で約4億円の所得隠しを指摘されたことがわかった。

 他に単純な経理ミスもあり、申告漏れは総額で約4億5800万円に上り、
重加算税を含めて約1億8100万円を追徴課税(更正処分)された。

 同社によると、経費として処理していた事業推進費や取材費の一部について、課税対象となる「交際費」
と認定された。指摘に従い、全額納付するという。

 毎日新聞社社長室広報担当の話「国税局と見解の相違もあるが、
申告漏れを指摘されたことを真摯(しんし)に受け止めている」


(2008年5月30日22時23分  読売新聞

これが朝日新聞になると、


毎日新聞に4億円の所得隠し指摘

2008年05月30日23時35分

 毎日新聞社が東京国税局の税務調査を受け、
07年3月期までの5年間で約4億5800万円の申告漏れを指摘された、と同社が30日公表した。うち約4億円は仮装隠蔽(いんぺい)
があったとして、所得隠しと指摘された模様だ。追徴税額は重加算税などを含め約1億8100万円。

 同社によると、国税局は事業推進費や取材費などとして経費計上された約4億円について、
経費とは認められない交際費に当たると指摘したという。また、
同社の新会計システムの構築に伴って計上したコンサルティング費用の一部について、
経費ではなく資産として計上すべきだと指摘したという。

 毎日新聞社社長室広報担当は「見解の相違もあるが、申告漏れを指摘されたことを真摯(しんし)に受け止め、
今後も適正な経理、税務処理に努める」とコメントしている。

面白いですね。読売新聞の見出しは”所得隠し4億円”と刺激的。
見出しだけ見ると事実として所得隠しがあったように見える。しかし、記事本文を見ると書きぶりは中立的。

一方、朝日新聞は見出しでは「所得隠し指摘」と”指摘の事実”を挙げているが、記事本文では「4億円は仮装隠蔽
(いんぺい)があったとして、所得隠しと指摘された模様だ」と、推定が入っている。同業者に厳しいっていうか、何だか悪意を感じますね。

最後は当事者の毎日新聞の記事で締めましょう。


申告漏れ:毎日新聞社が5年間で約4億5800万円

 毎日新聞社は30日、東京国税局から07年3月期までの5年間で約4億5800万円の申告漏れを指摘され、
重加算税(約4200万円)などを含め約1億8100万円の更正通知(追徴課税)を受けた。毎日新聞社は指摘に従い、全額納付する。

 国税局は、経費処理していた事業推進費や取材費の一部を、課税対象となる交際費と認定した。また、
本社の新会計システム構築に伴うコンサルティング費用の一部を、経費でなく資産に計上すべきだと指摘した。

 ▽毎日新聞社社長室広報担当の話 国税当局と見解の相違もありますが、申告漏れを指摘されたことを真摯
(しんし)に受け止めています。今後も適正な経理、税務処理に努めます。

毎日新聞 2008年5月30日 20時10分

「更正通知(追徴課税)」というあたりが何だか痛々しいですね。”追徴課税
というのはマスコミの用語で行政上はそうは言わない。しかし、新聞社としては、「国税当局と見解の相違もありますが」と言っており、
単なる申告漏れであって意図的な所得隠しではないという姿勢をとっているので、本来懲罰的な追徴をされるいわれは無いのだけど・・・
ということで、正式な行政用語で「更正通知」と書いては見たものの、いつも他人の脱税発覚のときに書いてる「追徴課税」
と書かないと何のことやら伝わらないし、で、仕方が無いので括弧書きにしたというところでしょうか。

潔く「追徴課税」と書けば、余計な詮索をされずに済んだだろうに。

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