「麦とホップ」を飲んでみたが・・・

 先日、サッポロビールの「麦とホップ」を飲みました。

 田村正和さんがCMで、「私には、ビールです。」と言っている”リキュール(発泡性)”のお酒です。私にとっても、ビールなのかな?と思って。

 で、結果から言えば、「私には、ビールじゃありません。」でした。口直しにサッポロ・クラシックを飲んでしまいました。私は、サッポロビールの製品は結構好きです。家にビールが無くなれば、サッポロの製品を買います。理由は、儲かりもしないのに原材料のオオムギやホップの育種から、協働契約栽培まで、まさに畑から工場までこだわりを持って、愚直に物作りをしている企業だから。スティール・パートナーズの買収相同の時は、こんな利潤追求の会社に買われてしまったら、利益に直結しない育種部門が無くなってしまうのではないかとハラハラしました。

 サッポロビールはそんな会社ですが、やはり背に腹は代えられないのか、発泡酒だの”第三のビール”だの、くだらない商品を開発しては売っています。今や、ビールよりもこちらの方が売上が多いのではないでしょうか。

 先日、近所のスーパーの売り場を見て愕然としました。今や、発泡酒第三のビールの棚の面積がビールの棚の3倍以上になっているんです。もう、近所では小さな売り場に慎ましく収まっているエビスか黒ラベルくらいしか買えません・・・「麦とホップ」はもう二度と買いません。

 「麦とホップ」のCMの、「私には、ビールです。」という台詞を聞いて考えさせられたのですが、消費者の側から見ると、ビールもそれ以外の大麦を使った発泡性のお酒も、結局のところ似たようなものなので、”ビール”として消費しているんです。ビ−ルとそれ以外の大麦を使った発泡性のお酒の値段の違いは、製造コストも多少はあるでしょうが、おそらく税金の違いを反映しています。
 ちなみに、消費税を除いたビールの税率は46.2%(220\/L)、発泡酒は35.5%(178 or 134 \/L)、第三のビール(その他の発泡性酒類)の税率は80\/Lとなっています。

 消費段階では、どれも結局はビールであると考えると、伝統的なビールだけが税率の高さ故に敬遠され、消費者はより安い製品に流れている訳です。その結果、我が国では実質的には、「消費者にとってのビールの品質」がものすごく下がっており、国際的にはビールとも呼べないものが本来のビールの市場を蚕食しているのです。

 財務省には、我が国のビールの品質を低下させた結果責任がある、私はそう言いたい。ものすごく高い技術を持っている我が国のビール会社に、あんなつまらない製品を作らせないでいただきたいものです。

# 「麦とホップ」が、私にはビールじゃなかったせいで、八つ当たりしてるだけなんですけどね。

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