行きつけのコーヒーショップのご主人が楽しそうにデモンストレーションしてくれたのが、これ。

# ご主人曰く、”いやいや遠慮しないでください。やってみたいだけなんです”。そりゃぁうれしそうにコーヒーをいれてました。

ハンドプレッソ(handpresso)というものらしい。半透明のカップにお湯を入れ、自転車の空気入れのようなポンプで圧力をかけてコーヒー豆の入った袋(ポッド)を一気に透過させて抽出する道具だ。価格は\15,000くらいらしい。

抽出されたコーヒーの香りは、直火式のエスプレッソよりも若干フレッシュ(煮詰まり感がすくない)。抽出時のお湯の温度はどうしても沸点以下になるので、蒸気式のエスプレッソマシンや直火式のエスプレッソと比べても味が違う。

本格的なエスプレッソマシンの場合、抽出時の気圧は19気圧に上るものもある。しかし、これは圧力容器に水を密封して加熱して高圧にしている訳ではなく、ポンプで加圧している。従って、温度はおそらく90度位に制御されているはずだ。

まあ、抽出温度が高温であるほどコーヒーが美味くなるわけでもない。というか、通常味わう温度を超えた状況で無理矢理抽出した成分は、温度が下がると水に溶けていられなくなる。・・・つまり、茶渋のようにカップにこびりついたり、歯や口腔粘膜にこびりつく。味わいとしては、渋かったり、舌や粘膜にチクチクと刺激感があったりする。

# なめし革を作るように、舌をタンニンでなめしているようなものですな。

また、抽出温度が高いほど香りが良いというわけでもなく、あまり高温の熱水で抽出すると、揮発しやすい香り成分はさっさとどこかへ行ってしまう。

そう考えると、ハンドプレッソのように100度以下のお湯で抽出できるエスプレッソは、安価な直火式エスプレッソよりも、高級なポンプ式のエスプレッソマシンに近いことをやっているのだ。

しかし、この微妙な価格だと、国産の安い蒸気式のエスプレッソマシンが買えてしまうなぁ。あとは味の好みの問題かも知れないが、コーヒーショップのご主人には申し訳ないが、アウトドアでもどうしてもいれたてのエスプレッソが飲みたいというこだわりのある人以外にはあまりお勧めできない。

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