干支ネタ: 牛の入るMRI装置?

牛の入るオートクレーブと言うものも聞いたことはありますが、牛の入るMRI装置というのは・・・。

読売新聞より。

霜降りもクッキリ…牛の肉質、MRIで生きたまま予測可能

 磁気共鳴画像(MRI)の検査が高級和牛の必須条件――。そんな時代がくるかもしれない。放射線医学総合研究所千葉市)の池平博夫チームリーダーらが、MRIの断層画像で、生きている牛の肉のおいしさを予測できることを確認した。
 池平さんらは、雄牛のロース肉を人間用のMRIで撮影してみた。すると、肉質を左右する「霜降り」の度合いや脂肪の粒の大きさが、肉質検査に使う写真と同程度の鮮明さで映り、霜降りの面積を自動的に算出できた。また、撮影データの解析で、多く含まれるほど肉をおいしくする「不飽和脂肪酸」の量も確認できた。こちらは、実際の肉質検査では鑑別できない。
 肉質の良い牛を作るのは、運試し。見込みを付けた雄牛の精子を複数の雌牛に人工授精し、生まれた子牛の肉質から、親の品質を推定しているからだ。数年がかりの作業になる。
 MRIを使えば、優秀な雄牛を数分で確実に見つけられそうだ。実用化には、生きた牛を丸ごと撮影できる大型装置が必要だが、同チームはすでに装置の設計案を完成させている。「後はスポンサーを待つだけ」(池平さん)という。

(2009年1月12日03時11分  読売新聞)

とりあえず、人用のMRI装置を使用して牛肉の肉質判定のノウハウを集積してみたと言う水準の仕事ですね。サンプルに使用したロースのかたまり肉はその後、どのように処分されたのか関係者に伺ってみたいところ(美味しかった?)。

牛用のMRI装置は、人用のMRI装置のように量産効果はなさそうなので装置自体で数億〜十億くらいかかりそうな勢いですが、誰が導入するのでしょうね。まあ、できてしまえば肉質判定だけではもったいないので、健康診断や病理検査にも使われる様になるのでしょう。
# 牛をじっとさせておくのが大変そうですが。

私は、MRI装置と言えばトンネル型のものをイメージしていたのですが、最近ではオープン型というのも登場しています。こういう方式であれば、ものすごく大きな装置でなくても良いかも知れません。

ともあれ、非破壊で肉質の検査ができるのであれば、肉質検査のためにクローン牛を潰す必要もなくなります。一見、家畜クローンと競合する技術のようにも見えますが、手間暇かけて生産したクローン種牛を、生産した頭数だけ有効に利用できるのであればそれだけ生産コストが回収しやすくなりますので、クローン技術による家畜改良に対しては補完的に利用できます。

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