食品添加物として使用されている色素、青色1号(ブリリアントブルーFCF)に神経の損傷からからの回復を早める効能が見つかった。論文はラットを使用した実験。

“Systemic administration of an antagonist of the ATP-sensitive receptor P2X7 improves recovery after spinal cord injury,” http://www.pnas.org/content/early/2009/07/24/0902531106.abstract.

こちらの記事では、ブリリアントブルーFCFを投与されたラットが青く染まっているところに注目しているようだ・・・まぁ、一種、チャーミングではある・・・が、私は別の意味で興味深い研究だと思う。

これまでも医薬品として使われる成分が、食品添加物に使われてきたケースはいくつかある。たとえば、甘草のグルチルリチンや、CoQ10など。しかし、逆のパターンで食品添加物から医薬品になったというケースは聞いたことがない。さて、どう展開されるのか。

食品添加物なので、経口投与の際の安全性は実験的に確認されている訳だが、投与経路が違えば毒性が現れないとも限らないので、もし、医薬品として使用するつもりであれば、動物実験の際には、青いラットの群れが見られるだろう。そして、治験の段階になると・・・ブルーマンショー?

ブリリアントブルーFCFそのものは特許で保護されないので製薬会社は開発のモチベーションを持たないだろうが、投与方法によってはこれからまだ特許がとれる可能性は残されている。今後に注目。

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