時は江戸時代中期から幕末。ところは日本各地。

各地の藩は財政難で、藩士の食録(給料)の半分を藩主が借り上げて、残り半分を藩士に支給する・・・と言いながら貸した分は帰ってこない・・・という人件費削減策が行われていた。

これを日本史上”半知”と呼ぶ。

今般、国家公務員の給与削減が実施されることになった。理由は、景気の悪化で民間の賃金水準が下がったこととされている。

一方、民主党は「国家公務員の総人件費2割削減」を政権公約に掲げている。理由は、驚いたことに「ムダづかいをなくすための政策」となっている。方法は「地方分権推進に伴う地方移管、国家公務員の手当・退職金などの水準、定員の見直しなどにより、国家公務員の総人件費を2割削減する」。

基本給にメスを入れると言うことでは無いようだが、定員見直し=削減で一人あたりの業務量は増えることになるのだろう。なお、事務の地方移管では目先の人件費は減り、その分の経費を地方交付性に盛り込むのであれば、見かけ上、地方交付税は増える。これで知事にもいい顔ができると言う計算なのか。

しかし、これは要するに財政難なので有無を言わさず従業員の給料をカットすると言う構造であって、幕藩体制下の半知と大して変わらない。むしろ、「知行を借してね」と言う言い方の方がかわいげがある。「ムダづかいをなくすための政策」という名目で従業員の給料をカットするような雇い主の下でモチベーションを高めるのは結構難しいことだろう。

公務員給与ダウン、民主「労組反対でも押し切る」

 政府は25日の給与関係閣僚会議と閣議で2009年度の国家公務員一般職(行政職)の給与について、月給と期末・勤勉手当(ボーナス)をともに引き下げるとした人事院勧告を完全実施することを決定した。

 月給を平均863円(0・22%)、ボーナスを過去最大の0・35か月分(7・8%)引き下げる内容で、平均年収は前年度比15万4000円(2・4%)減の635万6000円となる。総務省によると、人事院勧告の完全実施を8月中に決定したのは1973年以来。

 政府は秋の臨時国会に一般職給与法改正案など関連法案を提出する方針だが、30日の衆院選の結果、民主党が政権を獲得した場合は仕切り直しとなる見通し。

 政権公約マニフェスト)で「国家公務員の総人件費2割削減」を掲げる民主党は、今回の閣議決定をいったん白紙に戻すものの、改めて勧告内容を完
全実施する閣議決定を行い、関連法案を秋の臨時国会に提出する考えだ。同党幹部は「労働組合から反対の声も出るだろうが、押し切る」としている。

(2009年8月25日19時06分  読売新聞)

人気blogランキングへ←このへん、クリックしていただけますと、私も若干元気になるかもしれません。