東京一極集中:

関東の一漁村だった江戸が日本の首都になったのは,そもそもが江戸期幕藩体制下での埋め立て造営に端を発する。 幕府が各藩に命じて藩邸を置かせ,埋め立て工事をさせて江戸湾を陸に変えたのだ。 その間,約250年。 働いた人足のエネルギーである食料は,地方の農民が営々と生産してきたものが注ぎ込まれてきた。 江戸町人は免税されていたので,インフラ整備に汗は流したかもしれないが,食糧生産にはほとんど寄与していないだろう。 基盤整備は地方の労働力の生産したエネルギーで達成されたといって良いだろう。

翻って明治時代。 日本の首都東京は,外国に対する我が国の「ショ−ルーム」として政府によって税金を投じて整備されてきた。 ちょうど平壌がそうであるように。 またしても地方から納められた税金がインフラ整備に投入されてきた。 以来,百年,江戸町人達は今日の繁栄はひとえに自分達が築きあげてきた物であると信じて,それを享受している。

そして今日,地方交付税なんてもらってないという知事も居るようだが,向こう400年くらいはもらえなくても当然なのである。 それくらい重点的に投資されてきたのだから。
東京国際空港の離陸ダイヤは今や無茶苦茶になっている。 過密スケジュールのなせる技である。 国土交通省から改善命令が出ないのが不思議なくらいだ。 本来「東京に用があって」東京に寄る人は何割くらい居るのだろう。 東京に用がないのなら中継点は成田でもどこでも良いのだ。