OSが分析機器の寿命を決める?

 私が今いる居室の向かいの実験室には、Bio-Rad FXという蛍光画像読み取り装置がある。
電気泳動のゲル中やメンブレンフィルター上の蛍光物質にレーザーを当てて、発した蛍光をスキャンするという装置だ。

 7-8年前のものらしいが、制御用のコンパック(今は無いなぁ)のPCは英語版のWindows-NT4.0 (これまたMicrosoftはもうサポートしていないらしい)で動いている。このPCにはAdaptecSCSIカードが刺さっていて、蛍光画像読み取り装置はそこにつながっている。

 今日PDのSさんがECFでWestern検出をして、Bio-Rad FXで画像の取り込みをした。
画像ファイルの大きさは約20MBだが、NT4.0はUSBをサポートしていないのでUSBフラッシュメモリーは使えない。
ファイルサイズから言って、Floppyには入らないし・・・というわけで困っていた。

 幸いなことに、私のいる居室は旧部長室で歴代の部長さん達が愛用してきた歴史的なPCパーツが豊富にある。要はゴミタメ状態だ。
部屋の隅にはSCSI接続のMOドライブや、ブランクディスクが眠っている。これを引っ張り出して接続することに相成った。
SCSIはディジーチェーン接続(死後)なので、接続ポートが少なくても何とかなるのがうれしい。

 かくして、別のPDのS君がこれまた古めかしいOlympusのMOドライブをPCとBio-Rad
FXの間につなげてみたがちっとも認識しない。・・・たしか、SCSIにはSCSI-IDという呪文があって、
これが機器間でかち合うと正常に認識しなかったのではなかったか?私は深い記憶の奥底をひっくり返して、ようやくそうの事実を思い出した。
そこでAdaptecSCSIカード付属のアプリケーションでBio-Rad FXのSCSI-IDを見ると#5、外付けのMOのSCSI-IDも#5・・・S君、引きが強すぎ。早速、MOのSCSI-IDを変更してrebootすると今度は認識した。

 だが、話はそこで終わらなかった。そのMOドライブは、挿入されたディスクを認識しなかったのだ。そう、壊れていた。そこで、もう1台の別の使われていないMO(一体何台転がっているんだか)をつないでとりあえずは一件落着。次は、そのMOのデータをどうやって自分のPCに取り込むか、だ。今時のPCにはSCSIはつながらないことが多い。
SさんのPCにもSCSIポートは無い。さて・・・。

 そこで、私が自宅から持ってきていたSCSI-USB変換ケーブルを供出することにした。これまた、過渡期の製品で今となっては珍品である。ドライバーをAdaptecのホームページからダウンロードしてインストール。
これでめでたく問題は解決した。 SCSIのMOをUSB変換ケーブルでPCのUSBポートにつないでデータを読み出すことができた。
やれやれ。

 個人的な興味としては、SCSI-USBケーブル経由でBio-Rad FXが動くかどうか興味津々・・・。
これって一種のスキャナーだよね。

 さてお題は「OSが分析器の寿命を決める?」であるが、ここまでつらつら書いたようなトラブルはNT4.0で動いているPCがネットワークにつながれば、そもそも何の問題にもならなかったはずだった。しかし、現実にはセキュリティー上の問題でそうもいかない。
Microsoftがサポートをやめていなければネットワーク越しにデータを送れたものを、と思う。
このようにOSの都合で殺されていく分析機器は実は結構多いのでは無いだろうか。

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