日経BPネットに「ワードサラダ」というものが紹介されている。

スパムフィルタを通過するための技術として使われ始めているもので、たとえば次のような文を言うらしい。


ハンカチ王子が上がるとイソフラボンが投げ放題になるが、そのまま家系ラーメンを飛び込んだ」

このように、「文法的には正しいものの、言葉の選び方が正しくないので、意味が通らない文章」のことをいうらしい。

しかし、言語、特に話し言葉というものは非常に文脈依存的な性質があって、実際の会話を紙に書き留めるとしばしばワードサラダ状態になることもある。例えば、

「僕はウナギだ。」

という文は、発話者がウナギ以外の場合は形式論理的には正しくない。一方、ウナギは日本語を話すことはないと考えられるので、形式論理的に正しい場合は科学的には正しくない。一見したところそう思える。

ではあるが、次のようなケースではどうだろうか。

Q: あなたの好きな日本料理は何ですか?

A: 僕は[ すし、 ウナギ、 天ぷら、 刺身] だ。

という会話は成り立つ。「僕はウナギだ。」という言葉には「僕(の好きな日本料理)はウナギ(の蒲焼きか、白焼きか)だ。」という言葉が省略されている。だからこれは、ワードサラダでも何でもない。
次の文はどうだろうか?

「庭先の日盛りのヘメロカリスも、日陰のロードデンドロンも、八界説では等しく植物界に所属する。」

これは書き言葉ではあるが、結局は意味が通じる人にしか通じない。
ワードサラダ的ではあるが、言葉の選び方は正しい。ではこれはどうだろう。

美しい国日本の清く正しい政治家は自由と民主主義の理念の下、国民のために全身全霊を捧げて政治改革に励む。」

合掌・・・。

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