10/22 日経ビジネスオンラインの長妻議員の対談記事に立腹

10/22の日経ビジネスオンラインに”官僚から「本当の話」を聞き出す方法”と題して、
民主党長妻議員と評論家武田徹さんの対談が載っている。一部、引用させていただく。

ここには大きな誤解がある。


長妻 
「国の仕事をしていて税金で資料を作成している以上、資料を出す、出さないを判断する権利は官僚にはないのだ」と言います。
「出せないんだったら、法律上の理由をきちんと文書に書いて送ってくれ」と。そういうと多少は出るようになる。彼らは紙に(証拠が)
残るのはいやなんですよ、当該資料はこの法令で出せない、と書いたのが後にウソだと分かると恥ずかしいから。

武田 ということは、官僚は故意にウソはつかないんですか。

長妻 あとでバレるとまずいことになる。彼らは失点を恐れるので、
よほどのことがなければウソまではつかないです。

官僚が故意にウソをつかないのは、失点を恐れるからではない。
書いたのがウソだと分かると恥ずかしいからでもない。あなたがウソをつかないのはなぜですか?

官僚がウソをつかないのも、官僚でない人がウソをつかないのも、その理由に違いは無い。

理由は簡単だ。ウソをつくのは悪いことだからだ。モラルの問題であって、損得の問題ではない。

また、ウソがばれると恥ずかしいのだろうが、損得で言えば、信用を失くすことのほうがよほど問題だ。
政治家がその言葉を信用してもらえなくなったら辞めるほか無いのと同様、信用を失くした官僚に仕事を任せる上司は居ない。

この、まるで官僚にはモラルがまるで無いかのような、見下した態度は一体どこから来るのだろうか。たしかに、
モラルの低い官僚も居る。倫理監督官に就いていた事務次官が利害関係者とゴルフをしていたこともあるくらいだ。ひどい話だ。一方で、
官庁の倫理監督官とゴルフをする、モラルの低いビジネス界の人間も居たことも記憶にとどめておいていただきたい。

また、「国の仕事をしていて税金で資料を作成している以上、資料を出す、
出さないを判断する権利は官僚にはないのだ」と議員は言うが、もともと存在しない資料を作成させる場合、そのコストも考えなくてはならない。
官僚も遊んでいるわけではなく、日常業務が当然ある。資料作成のための調査、
集計などのとりまとめ業務にかかわる労働ははその業務に上乗せされることになる。

議員のおっしゃるとおり、資料を出さない判断をする権利は官僚には無い。しかし、
役所の組織定員は日常業務をベースに設定されており、定員削減に次ぐ定員削減でどこも余力が無い。国会で質問があたると家に帰れないとか、
タクシーでしか帰れないという悲惨な有様になる。つまるところ、資料を出さないのではなく”出せない”場合も少なくないのだから。

この記事の続編では、「なぜ与党は官僚を攻めないのか?」を語るそうです。

が、国民の信託を得た与党が行政に責任を持つ、この国の仕組みをどう考えているのでしょうか。
議会を代表する与党の責任者が、行政の最高責任者である総理大臣になるのが、この国の立法府と行政府の関係です。
内閣は総理大臣が組織し大臣を任命するので、すべての官僚は、いわば与党代表者である総理大臣の部下です。

ですので、与党が官僚を攻めるというのは、自分の部下を攻めるのと同義です。
それは行政の最終責任者である大臣や、その大臣を選出した与党自身を攻めることにもなります。官僚機構をコイズミ式の仮想敵に仕立てるのは、
大臣経験者には非常に難しいのです。

# 宙に浮いた年金問題が噴出したのは、安倍政権になってから。コイズミさんは、たしか、
厚生大臣経験者でしたね。

って、そんな当たり前の話をしたり顔でするのではあるまいな・・・。

さて、長妻議員は、一方で、こんな発言もしていらっしゃいます。


記者として取材していると、今まで政治家が偉い人の集団だと思っていたのが、
実像が見えますよね。すると、これは、かなりマズいわけです。

例えばビジネス界の人材レベルと官僚や政治家の人材レベルを比べると、普通は官僚や政治家の方が偉いみたいに思われているけど、
全く逆ですよ。自分のNEC時代の経験だけから言っても、ビジネス界の方が人的レベルが圧倒的に高い。
もちろん取材していたわけですから実業界にも問題がいっぱいあるのは分かっていますよ。しかし、もっと悪い。

なるほど。それで、政治家をしている訳ですね。すると、これは、かなりマズイ。

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