スイス”植物の尊厳”の問題がNature Newsに

4/16のエントリー


http://domon.air-nifty.com/dog_years_blues_/2008/04/post_7688.html

にも書いたのですが、4/23のNature Newsでも”植物の尊厳”に関するスイスの法律が問題視されている。

http://www.nature.com/news/2008/080423/full/452919a.html

交雑育種のために雄性不稔を導入すのは植物の繁殖の権利を損ない、尊厳を踏みにじるものだ、ということになるらしい。

私の価値観からすると、この法律は「狂って」いる。

そもそも、”尊厳”や”権利”と言う概念は人間の脳の所産だ。生命と言う状態を保っている物質の集合体には、”尊厳”や”権利”
があってそうでないものには無いという線引きには同意できない。言いかえれば、生物である、というだけで無批判に尊厳を認めるべきではない。

”人権”と言う概念は、結局は恣意的な線引きでしかないが、
それは今日の世界でヒトにとって有用な概念であるから広く認められるようになったのだ(歴史的には、人権と言う概念に普遍性は無いと思う)。

その概念がヒトにとって有用である場合にのみ広く認められるようになるという構造的な問題をさておいて、”尊厳”
と言う概念を広く多様な生物に適用するのは、生物の擬人化だ。

ヒトが特別な生物であるとするならば、それはあなたや私がヒトだからだ。それ以外に、この恣意的な区別に根拠など無い。
Homoという属名にはそういう意味が込められているのではないだろうか。

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