第二石炭紀の到来?

 えー、今月は環境月間でございます。

 環境月間、つまり今月は環境保全のことを考えようということで、週末ともなると民放では環境保全をおもしろおかしくアピールするおばか番組で喧しいありさま。

 そんなテレビ番組を見るのにテレビをつけておくくらいなら、1秒でも早くOFFにした方がよほど環境に優しいであろうにとおもいます。だいたいなんだって発電床の上でよさこいソーランを踊らなきゃいけないのか、意味不明です。発電する電力と、それを視聴者に届ける電力を比べれば、なーんにもしない方がましでしょう。

 NHKも馬鹿な世論調査をやっていて「環境税の導入に賛成か反対か」だって。税率や用途という大前提の設定なしに聞くものだから、「わからない」と言う回答がたしか38%。そりゃそうでしょう。判断の材料もなくぶしつけな質問をされたら誰だって「わからない」と言いたくなります(でも6割の方は、前提の説明なしで賛否を表明している。これはこれで、短絡的で恐ろしい)。

 さて、現状で地球上の植物たちが固定できるCO2の量は年間何トンくらいなんでしょう。それに対して、人類が排出するCO2とCO2の自然増を加えた量はどのくらいあるんでしょう。つまり、CO2の収支を(とりあえず)ゼロにするには、排出量を削減しなければならないのでしょうかね。そのあたりの事情はマスコミ報道を聞いてもさっぱり分からない。だいたいマスコミは定量的な議論をする能力が低いので、期待してはいけないのですが。

 で、CO2の収支がゼロになったところで、産業革命以降のこれまでの温暖化の流れから言えば、地球温暖化は止まらない訳です。もし、気温を下げる方向に持って行きたいのであれば、CO2の収支をマイナスにするか、火山の大噴火並のエアロゾル成層圏にばらまいて地表や大気に吸収されて熱に変換される太陽光を遮断するくらいしかできません。でもなきゃ、温暖化は止まらない。

 政府の言ってる施策を実施すると、あるいは国際的な温暖化防止のフレームワークが機能すると、温暖化は止まるんでしょうか。それとも、どのみち止まりはしないのだが、温暖化の進行が少しゆっくりになるのでしょうか。数値目標を掲げて、産業界や家庭でのCO2排出量を減らせというのなら、その結果どの程度の効果が見込めるのかも政府には説明していただきたい。

 実は、CO2排出量を減らしても、もう手遅れです・・・という事態もあり得るし、効果のほどは分からないけど、産業革命以降増えた分はとりあえず減らしましょう・・・というあまり科学的根拠のない精神論かもしれない。

 とりあえずIPCCのホームページでも見ておきましょうかね。気象庁による第4次評価報告書の抄訳はこちら

 結局、「人類の活動が気候変動に影響を及ぼしている可能性がかなり高い」という結論。ま、気候変動に関する政府間パネルなので、専門は気候変動。CO2の収支ではないのだよね。

 ともあれ、最悪のシナリオの最悪のケースでは2099年には平均気温が6.4℃上昇、最善のシナリオでも、最もありがちな予測値では、0.6℃の上昇とある。努力次第では温暖化がゆっくりになるんですね。

 ・・・でも結局、最善のケースでも地球温暖化は止まらない。・・・なんだ。

 このまま行くと、再び石炭紀が訪れるのではなかろうかね。

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