2か月間、タクシー券の使用を禁止

13日の読売新聞より。


国交省タクシー券使用を2か月間禁止

2008年6月13日(金)11:22

 中央省庁の職員が深夜帰宅の際に公費で乗ったタクシーで金品を受け取っていた問題を受け、冬柴国土交通相は13日の閣議後記者会見で、本省の全職員約4000人を対象に2か月間、タクシー券の使用を禁止すると発表した。

 一時的な試行だが、中央省庁でこうした対策を取るのは初めて。残業が深夜に及び、やむを得ずタクシーを利用する場合も、職員がいったん立て替え払いし、事後精算する仕組みにするという。

 冬柴国交相はこの日の会見で、タクシー利用の背景について「問題は仕事のやり方にある。深夜1時、2時まで仕事をするのは異常」と指摘。

 国会が閉会した後の今月23日から試行を始めるとした上で、「タクシー券を使用しないことでどういう課題があるのか検討したい」と語った。

 同省によると、本省職員のタクシー券の利用は1日あたり約200件に上る。冬柴国交相は、立て替え払い方式により「(タクシー利用は)激減すると思う。職員には窮屈な思いをさせるが、習慣を考え直す一つのきっかけにしていただけたらと思う」とも述べた。

 同省では試行結果を踏まえ、試行後もタクシー券の使用禁止を続けるか否かや、地方整備局の職員らにも広げるかどうかを検討する。

 この問題を巡っては、2007年度の1年間に、同省の本省職員計36人が深夜帰宅のタクシーでビールやおつまみなどの提供を受けたことが確認された。また、同省が所管する道路整備特別会計など七つの特別会計から02〜06年度に、タクシー券の代金として総額約81億円を支出していたことも判明している。

微妙な報道です。

評価できる点



  • ”「問題は仕事のやり方にある。深夜1時、2時まで仕事をするのは異常」と指摘。”
     誰だってそうです。始発で家に帰って2時間後にまた出勤という若手を見てると気の毒で。大臣からこう言っていただけると、国会の質問の答弁作りのために待機させられることは無いはず・・・です。


  • 「職員がいったん立て替え払いし、事後精算する仕組み」旅費もこうしていただきたいです。以前つくばに出張した際に、環境研と森林総研の研究者にアポイントをとってタクシーで移動したのですが、事務方からどうしてバスを使わないのかと絞られました。都会の人は、朝と晩しかバスが走らない様な場所は信じられないようです。
     仮にバスがあっても、環境研から森林総研にタクシーで直行すれば手っ取り早いのですが、バスだと、つくばセンターまで戻ってV字型のルートで行かなくてはいけません。で、バスが走っていなかったのでタクシーを使ったところ「その時間バスが走っていないことを証明しろ!」ときました。時間効率はどうでも良いらしいです。(もう2年も経つのに思い出すだけで腹が立つ。・・・おまえが調べろ!と言いたい。)

評価しにくい点



  • 「2か月間、タクシー券の使用を禁止」という微妙な期間の設定。8月中旬には次期国会が開会します。また論戦が本格化したり、質問注意書がでたりで、深夜帰宅が増えて2ヶ月後にはタクシー券の利用が常態化しているはず。

・・・ ということを織り込み済みの2ヶ月限定なんでしょうかね。会期中も民間並みの勤務時間にしたいものです(いわゆる官僚は労働基準法で保護されていませんので、無際限に働かされます)。関連記事。


国家公務員病欠、1位はうつなど

 人事院は9日、2006年度に1か月以上病欠した国家公務員に関する実態調査の結果を発表した。

 うつ病などの「精神・行動の障害」で休んだ人が63%にあたる3849人に上り、01年度の前回調査と比べ、74%の大幅増となった。人事院職員福祉課は「1人当たりの仕事量が増え、ストレスを感じる人が多いのではないか」としている。

 病欠者の人数は公務員数の減少で過去最少の6105人だったが、公務員全体に占める割合は2%でわずかに増えた。「精神・行動の障害」以外では「肺がんや白血病など」(604人)「循環器系の疾患」(317人)などが多かった。

(2008年4月10日  読売新聞)

 いくらメンタルヘルスの指導をしても、能力の限界を超えた長時間労働を強いられると大抵の人はうつになります。ヒトはそういう生き物なのです。

 (わたしはそんな長時間労働はしていません。そんなことでは死にたくないので。)

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