8月5日のニュース

 ベトナム政府は、食料輸入を減らして貿易収支を改善する目的で、遺伝子組換え作物を導入して国内農業を強化しようという施策を検討中とのこと。


ベトナムインドシナ】遺伝子組み換え容認か、狙いは輸入削減

8月5日8時0分配信 NNA


 ベトナム政府は、遺伝子組み換え農作物を容認し、2010から本格栽培・生産に踏み切る計画を進めているもようだ。
 収穫量が見込める遺伝子組み換え農作物を利用して大豆などの生産量を拡大し、輸入依存度を下げるのが狙いという。3日付タインニエン電子版がブルームバーグを引用して報じた。
 農業地方開発省のファン・バン・トアン科学技術課長によれば、遺伝子組み換え作物による大規模生産を、10年から始める計画だという。主に大豆、トウモロコシ、綿花の輸入依存度を減らすことができると見られ、これにより貿易赤字を減らし、経済の安定が期待できる。

 最新の国内インフレ率は1992年来最高の年率27%に上るが、その主な原因は食糧価格の上昇だ。

 トアン課長は、ベトナムでは05年に農産物輸入削減計画が承認されているとコメントしている。

■「10月に立法措置」

 在べトナム米国大使館の農業担当部局の報告書によれば、ベトナムの担当部局は、すでに遺伝子組み換え作物の導入に向けた法律の草案を策定済みだ。
 法案は10月に開会予定の国会で通過の見通しだと報道されている。

 ベトナムインドネシアなどと並ぶアジア有数の大豆輸入国だ。輸入大豆は主に家畜飼料として使用される。
 米農務省海外農業局(FAS)の資料によれば、ベトナムは昨年、大豆240万トン、トウモロコシ75万トンを輸入した。

 綿花は縫製品の原料として輸入されており、ベトナム統計総局(GSO)によれば、輸入量は1〜7月期に26%増加して17万トンに達した。縫製品は原油に次ぐ2番目の主要輸出品目だ。

 ベトナムの1〜7月期の貿易赤字額は、昨年の年間赤字額を上回る150億米ドルに達している。
 昨年1〜7月期の貿易赤字は63億米ドルだった。

 今年1〜7月期の輸入額の伸びは57%で、上半期(1〜6月)の伸びである62%からは鈍化した。

 米大使館の報告書によれば、ベトナムは20年までに遺伝子組み換え作物による生産を農業生産の約70%に拡大する計画だという。<ベトナム

 政府が遺伝子組換え作物を奨励する理由は様々だが、こういう選択もあるんですね。

 ベトナムの様な温暖多雨の地帯では、ダイズの生産性向上のキーとなる形質は、発芽時の耐湿性、耐虫性、それに糸状菌などに対する耐病性だろう(乾燥の激しくない地域では、アブラムシの媒介するウイルスによる病害は案外少ないかも知れない)。
 どれも遺伝子組換えですぐに何とかなるという状況ではない。しかし、亜熱帯−熱帯では雑草の生育も早いのでラウンドアップ耐性は良い選択肢ではある。

 ラウンドアップ耐性ダイズはブラジルやアルゼンチンで効果を上げていることからベトナムでも一定の成功が見込めるはず。そのうち、生産用種子も国内自給するのだろうか。

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