ようやく夏期休暇を消化した。地の果てにあるインターネットの繋がらない実家ですごした。

 実家のある稚内は秋というよりは、もう初冬の趣。最高気温は13℃くらい。利尻島では初冠雪を観測したし、平地でもみぞれが降っていた。

 土地柄、野菜も米も採れず、栽培できる植物はほぼ牧草のみ。それと広大な土地を有効利用しようと、”宗谷の黒牛”と称して第三セクター方式で和牛の生産をはじめたものの失敗。地方紙によれば”社団法人宗谷畜産開発公社”の解散手続き中とか(解散に到る経緯は、稚内市のホームページにも出ている)。

 地域特産物にしたかったのかも知れないが、肉牛生産についての基本的な知識が不足していたのだろうか。品質は悪くなかっただけに残念なことだ。

 一方、元気なのはこち ら。CIMG1106

 NEDOの事業(大規模電力供給用太陽光発電系統安定化等実証研究)で設置中の大規模太陽光発電実証研究施設。現在、三期工事途中だが、最終的には野球場3面くらいの面積(14 ha)になるらしい。
 冬の日照は弱いし雪は降るし、ここよりも気象条件が悪いのは根室・釧路あたりくらいではないかと思う。

 ここで上手くいけば、日本中どこでもいける?というくらいの気象条件なのだが、気温が低い方が太陽電池パネルの発電効率が高まるとかで、日射量が少ないのは補えるらしい。

 そして、もう一歩先を行っているのは風力発電宗谷岬ウインドファーム
 こちらは産業ベースでもう動いている。宗谷丘陵に向かって国道を車で走っていると、道の先の方には林立する直径60mの巨大風車が勢いよく回っている。宗谷海峡は凪が無いのではないかと思えるくらい年中強風が吹いているので、風力発電には打って付けだ。

 しかし、クリーンエネルギーの基地になるはよいのだが、残念ながら、これはあまり雇用には結びつかないのだ。漁業の町として栄えた稚内市は、最盛期には5万8千ほどあった人口が今や、4万人を切ってしまった。道北の都市は面積がやけに広いので市町村合併をすると大変な広域行政になってしまうし、財政状態の良くない町村も多いと聞くので、合併のモチベーションは低いのだろう。

 自然エネルギーの生産には良い所なのかも知れないが、このまま人口が減り続けると生産する自然エネルギーだけで消費エネルギーをまかなえる過疎地帯になっていくかもしれない。それが良いことなのかどうか。

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