読み返してみても意義がよくわからない記事。読売新聞より。

ノーベル受賞者懇談会、設置を正式発表

塩谷文部科学相は24日、閣議終了後の記者会見で、日本の基礎科学力を強化するために、歴代のノーベル賞受賞者らを集めた懇談会を設置することを正式に発表した。

 塩谷文科相は「今年ノーベル賞の受賞者が4人と画期的なことがあったので、今後の基礎研究の環境整備などをどう進めていけばいいか、しっかり話を聞く必要がある」と話した。

 懇談会のメンバーは、今年の4人を含め、歴代の日本人受賞者全員に声をかけるほか、日本学術会議会長や日本学士院長などの有識者とも調整を進めている。来月初めにも初会合を開き、今後の基礎科学強化施策に生かしていくとした。

(2008年10月24日11時21分  読売新聞)

「基礎科学力」って何だ?しかも、”紙と鉛筆”で研究ができてしまう方々に「基礎研究の環境整備などをどう進めていけばいいか」って。

そんなの「放って置いてくれるのが一番」というに決まってます。小柴先生のように重厚長大な装置がないと進まない分野もありますが、LHCITERをみてもわかるように一国でどうこうすると言う時代ではなくなりつつあります。

技術は囲い込みができますが、国際的に認知されてナンボという科学には国境がありません。”日本の基礎科学力”なんてみみっちいことは言わないでいただきたい。国籍は重要ではないのですから。

世界人口の20%を占める中国からなぜノーベル賞受賞者が出ないのかを考えてみると良いでしょう。かの国も、文化大革命がなければきちんとした人材育成もできたでしょうに。間違った施策のせいで科学者が逃げ出したり弾圧されて人生を棒に振ったりで、さんざんなことになってしまいました。

我が国においても、国民世論をリードする大新聞や地方紙の科学技術に対するリテラシーはあまり褒められたものではありません。ノーベル賞で浮かれているうちは良いのですが、手のひらを返したように科学者バッシングに走らないとも限りません。「基礎科学力」もよいのですが、まずは科学を巡る”不信感”を取り除いて凡庸な科学者でも、せめて生きにくくない世の中にしていただきたいものです。

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