食品安全委員会のホームページに、クローン家畜に関わる食品安全性評価に関わるパブコメの回答が公表されている。

一部抜粋する。

・不安なので反対。
・納得が出来ない。
・絶対に食べたくないし子供に食べさせたくない。
厚生労働省体細胞クローンの安全性審査を食品安全委員会に諮問したことを抗議する。
・従来の繁殖方法の改善、発展に力を注ぐべき。
・農地改革、安全性を追求した食作りが、国の政策。
・健康のために肉食を控えるべき、さらに消費をあおる政策をすすめる必要はない。
・需要のない研究に多額の公的資金(税金)が乱費されることを望んではいない。

うーん・・・。これが科学的なリスク評価に対するコメントなのだな。

また、こういう意見もあった。

エピジェネティックな変化の制御の異常の結果、絶対に安全性に問題のある物質が生産されないと100%言い切れるのか。

科学に100%の断言を求めても意味はない。科学は有限な前提条件に対して、想定される範囲の推定を返す以上には、有効な道具ではない。

科学はたいして有効な道具ではないかもしれないが、リスク評価においては、信仰や直感、政治判断という科学以外の評価方法よりも有効な道具であると私は信じている。

この意見では”エピジェネエィック”という言葉をまるで流行語のように使っているが、本当に意味がわかって言っているのだろうか。私たちの体の中でも、栄養状態や生活習慣でエピジェネティックな変化(ゲノムのメチレーションパターンの変化)は起こっている。もちろん、クローンでない家畜の体内においても。果樹の枝変わりのような表現型の変異にもエピジェネティックな変異は関わっている。

いずれも、場合によっては”異常”といえる生理状態を引き起こすケースもあるが、だからといって毒性物質を作り出すわけではない。特に、家畜は体内で毒素を作るような生物ではないので、その種の変異があっても安全上の問題はないと考えられる。

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