10/6の毎日新聞より。同様のアプローチを取っていた産総研はどうなっただろう。

iPS細胞:作成、安全性向上成功−−茨城・つくば市の企業

 ヒトの人工多能性幹細胞(iPS細胞)を、がんになりにくい安全性の高い手法で、従来よりも効率よく作り出すことに、ベンチャー企業「ディナベック」(茨城県つくば市)が成功した。14日発行の日本学士院紀要10月号に発表する。

 山中伸弥・京都大教授は、体細胞にレトロウイルスを使って四つの遺伝子を導入し、iPS細胞を開発した。だが、レトロウイルスは遺伝子を細胞の核
の染色体に組み込むため、がん化しやすい問題があった。このため、別のウイルスを使ったり、導入する遺伝子を減らすなどの手法が国内外で研究されている
が、いずれも作成効率が低い。

 新手法は、遺伝子治療などに使うセンダイウイルスによって4遺伝子をヒトの皮膚細胞に導入、従来の約10倍の効率でiPS細胞ができた。作成した
iPS細胞からは、心筋細胞や神経細胞などの細胞ができた。センダイウイルスの場合、遺伝子が核内に入り込まず、iPS細胞になった後に導入した遺伝子がウイルスとともに消失するため、がん化の恐れも少ないという。【永山悦子】

センダイウイルスのゲノムはRNAなので、宿主細胞のゲノムへの転移の可能性はまず無視して良い。ただ、細胞指向性はどうなのだろう?あまりえり好みが激しいと感染効率が下がってしまうのだが。

# ちなみに、この「ディナベック」の研究所は私の自宅から徒歩15分圏内にある。

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