上司は部下を選べない。部下も上司を選べない。

[日記・コラム・つぶやき]

読売新聞より。

菅国家戦略相「霞が関は大バカ」…講演で批判

 菅国家戦略相は31日、民主党都連の会合で講演し、中央省庁の官僚について「知恵、頭を使ってない。霞が関なんて成績が良かっただけで大バカだ」と批判した。

 マクロ経済をめぐる議論で、官僚から「1兆円が半分貯金に回れば5000億円の効果、2兆円使えば2兆円の効果」と説明を受けたことを紹介したうえで、柔軟な発想に欠けると指摘したかったようだが、官僚の反発を招きそうだ。

 また、日本航空の再建問題に絡み、「JALが飛ばなくなった空港の多くは、飛行機が飛ばない空港になる」と語るなど、身内の会合で気がゆるんだのか、言いたい放題だった。

(2009年10月31日21時05分  読売新聞)

読売新聞もこれをニュースにするんだなぁ。「官僚の反発を招きそうだ」という観測だが、この程度のことにいちいち反発する国家公務員が居るとは思えない。

一般的には、使途が紐付きでない給付金の場合、貯蓄に回ってしまえば政策目標通りの経済効果を挙げにくいのは自明。特に、将来に渡って所得が伸びる見通しの立たない経済環境では、少しでも余裕があれば貯蓄に回したくなるでしょう・・・。というか、菅大臣はこんな初歩的なことを部下から説明されたことに腹が立ったのでしょうか。

# 銀行から金を吐き出させる算段ができれば、貯蓄に回っても良いのかもしれませんけどね。

近頃は政策は政治主導で決めるものと、官僚が知恵、頭を使うことを拒否されて居るようですし、従来からある審議会等で役所が研究者の知恵を拝借する方法も封じられているようですので、政策の企画立案は全て与党で行うのでしょう。つまり、知恵、頭を使うのが専ら政治家の役目であるならば、官僚機構にそれを求めても仕方ないのでは?

ともあれ、部下の能力を引き出す方法としては、この発言は有効なプランではありませんね。

# 日本の官庁は、その機能においては世界有数のシンクタンクでもあるのです。個人的には、その能力を政策の企画立案に使わないというのは非常にもったいないと思います。

人気blogランキングへ←クリックしていただけますと筆者が喜びます!