いやしくも”科学的”な推定であれば、誰が計算しても同じ結果が出る。朝日新聞より。

温室ガス25%削減影響、「民主応援する人」で再試算

2009年11月25日0時8分


 鳩山内閣は24日、地球温暖化対策を検討する副大臣級の会合を開き、温室効果ガス削減が経済に与える影響の試算について、専門家会合のメンバーを入れ替えて再試算する方針を決めた。小沢鋭仁環境相は「鳩山政権のやりたいことを本当に応援してくれる」メンバーを選ぶ考えを示したが、恣意(しい)的な対応だとの批判を招く可能性がある。


 再試算の方針は来週にも「地球温暖化問題に関する閣僚委員会」を開き、正式に決める。

 菅直人副総理兼国家戦略相の下に置かれた副大臣級の会合で24日、専門家7人と5研究機関でつくる「タスクフォース」(座長=植田和弘京大教授)
が、10月23日から進めていた試算結果の中間報告をした。試算は、温室効果ガスを2020年までに1990年比25%削減するという鳩山政権の目標が、
経済にどのような影響を与えるかを示すものだ。しかし、中間報告の内容は整理が必要だとして、この日は公表しなかった。

 会合後に記者会見した事務局長の小沢環境相は、中間報告について「我が党の政策をとり入れた形での分析になってない」と指摘。タスクフォースにつ
いて「今回の試算が最終の結果。(再試算を担当する)チームはかなり変わるんじゃないか」と述べ、メンバーを入れ替えて、地球温暖化対策税や国内排出量取引制度の導入など民主党が掲げる政策の効果や、技術革新の進展などを反映させた試算を新たにつくる考えを示した。

 タスクフォースは、前政権での試算を見直す目的で設置されたが、実際に試算を担当した研究機関は前政権と同じだった。タスクフォースで19日に示された中間報告案では、「90年比25%削減」の場合の家計負担について13万〜76.5万円と試算したが、前政権での試算(22万〜77万円)と差はあまりなかった。

12月7日から始まる国連気候変動枠組み条約第15回締約国会議(COP15)に間に合わせるため、鳩山政権は約1カ月で中間報告をまとめるようタスク
フォースに依頼。ただ、当初からタスクフォース内には「時間が足りない」と不満が漏れていた。鳩山政権の環境政策についても「分析には具体的な制度設計の情報が必要」などとして、試算には十分盛り込めなかった。(星野眞三雄、竹中和正)

お御籤を引いたら大凶だった。そこで、げん直しにもう一回引いたが、やっぱり凶だった。・・・ということで、大吉が出そうな神社におまいりして、もう一回お御籤を引くことにした、くらいに考えているのでしょうか。科学的な見地からの検討はそんなものではないはずです。

平均的な日本国民の科学に対する認識が、環境大臣のご発言のようなものであるとすれば、今後はもっと理科教育に力を入れるべきです(あるいは、過去には、ある世代の大人について理科教育に失敗した事実があったという事例なのかもしれません)。また、民主党の政策が計算の前提に反映されていないことが問題であるという認識であれば、再度計算させるにあたって、前提条件を改めれば良いだけなので、タスクフォースのメンバーを入れ替えるのであれば、その意義を説明する必要があります。

もし、”「鳩山政権のやりたいことを本当に応援してくれる」メンバーを選ぶ”ということがメンバー改選の本当の意図であれば、次のタスクフォースのメンバーは、政治的に中立ではないことが明らかで、これは言わば”筋金入りの御用学者”といわれても仕方ありません。卑しくもまっとうな研究者を自認する方であれば、このような委員の依頼は引き受けるべきではないと信じます。

かつて、中国や旧ソ連では、自然科学の学説が”政治的に正しい”と支持されたり、”ブルジョア的である”と批判された時代がありました。家計負担”77万円”という結論は、民主党目線では”自民党的である”から政治的に正しくないと言うことなんでしょうか。

政治的にどうであれ、科学は科学です。前提条件と解析の方法論が同じであれば、結論に変かわりは無いはずです。

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