1/18の朝日新聞の見出しである。記事によると、「日本[のODA]は[GNPの]0.2%で、経済協力開発機構OECD)の開発援助委員会(DAC)に属する22の援助国のうち、19位(03年)にとどまっている。米国は最下位だった。」とある。([] は私が補足した。)
 しかし、この記事では、開発援助委員会(DAC)に属する22の援助国のうち、金額ベースでは日本が最大の援助国(アメリカは二位)であることには一切触れていない(外務省のホームページ、2000年の集計。最新でないのはアレなのですが。)。
 朝日新聞は、22カ国のODA全体に占める日本の貢献度は25%であること、GNP比0.7%を達成している国は5カ国であること、常任理事国アメリカ、イギリス、ロシア、フランス、中国)のうち、この基準を満たしている国はひとつも無いという事実もまた報道するべきである。この答申をした、アナン国連事務総長から提言を求められた専門家は、この辺の事情をどう考えているのだろう。
# 特に「常任理事国入りをめざす日本について質問を受け、「地球規模の指導力を追求する国が、開発援助の対GNP比0.7%達成という約束をどうするかに世界が注目している」と述べた」アメリコロンビア大学ジェフリー・サックス教授は。

 また、「外務省関係者は「0.7%は増税でもしない限り無理。援助減で常任理事国入りが遠のくことのないように努力する」としている。」というコメントも載せているが、0.7%を達成する方法はそれだけではない。GNPを下げれば良いのである。0.7%達成の目処とされる2015(10年後)には、わが国の高齢化は一層進み、労働人口は減り、GNPも今よりは低くなっているかもしれない。しかし、もっとましなコメントはできなかったものかね。他にも言ったのにバッサリ切られたのでしょうか。

 ともあれ、GNP比のみで援助額を算定するのはおかしい。「身の丈に応じた援助を、」という意味合いもあろうが、日本の高いGNPの幾分かは、物価高によるものだろうから。