7月6日、「食卓の安全学」を購入して帰宅。

 7月7日、朝の通勤バスで2/3ほど、帰宅してから1/3ほど読んで読了。久々に一気に読める本に出会いました。

 農と食を巡る最新のトピックを扱う際の、平易な言葉遣いと論旨の明快さ、バランスの取れた視点には爽快さを感じました。
 そしてなにより、読者に伝えようとする真摯な姿勢にはライターとしての誇りがあふれています。

 一人の市民としての私はニュースの受け手です。その視点から、第二章の「科学記事はこうして作られる」のp.94で指摘された警鐘報道の危うさについての指摘は、目からウロコという感じでいた。
 どうして日本のジャーナリズムは書きっ放しなのか?空騒ぎに終わった場合でも、一連の報道を反省することがどうして無いのか?と日ごろ抱いていた疑問が氷解する思いです。「売れる情報しか流れない」そしてマスコミには「一貫した判断や姿勢が無い」。だから、自らの報道を反省したり、総括したりすることが無かったのかと。

 ちなみに、私は農学(育種学)の研究者であり、品種保護のためのDNAマーカーの開発や、遺伝子組換え作物の安全性評価を行ってきました。現在は、研究機関からのレンタル人事で遺伝子組換え生物の使用の規制行政に関わっています。
 いずれ、遺伝子組換え生物についてのリスクコミュニケーションにお力を拝借する日が来るかもしれませんが、そのときはよろしく!