御茶の水女子大学LWWC108−3

本日は厚生労働省の食品衛生に関するリスク分析についての講義。

農薬のポジティブリスト制についてはあちこちで読んだ事はあるが、講義として説明を受けたのは初めて。曰く、食品成分に関わる規格(残留基準)が定められていないものについては、人の健康を損なう恐れの無い量として構成労働大臣が一定量を告示→0.01ppmを超えて農薬等が残留する食品の販売等を禁止。

ここで素朴な疑問。残留基準の決まっていない農薬については詳しい説明が無かったが、農薬は使用してよい作物と薬剤、適用の方法が決められている。従って、例えばトマトに0.01ppm以上の残留が認められている薬剤が0.01ppm以上の濃度でホウレンソウから発見されれば、これは違反になる。だが、何で重量ベースのppmなのか?これでは薬剤の分子量によって相当の振れがあるので、ものによっては恐らく非常に厳しい規制になっているのではないだろうか。

受講者からの良い質問。「どのようなリスク管理も基本的にはコストと効用の対比で考えるべき。BSE対策は、今日のお話ですと科学ベースで考えると非常に小さなリスクに対して多大な費用をかけて検査を実施している様ですが、同じお金をかけるなら福祉など他にも重要な課題があるはずなのになぜ政府はBSEの検査を続けているのですか?」

講師、答えて曰く。「あまりはっきり言うと色々差しさわりがありますが、political reasonとだけ言っておきましょう。また、役所では過去の施策とのコストの対比はしますが、施策同士の対比はあまりしませんね。」

私思うに、恐らく、他の局の施策と実効性で勝負して省内で争うのは避けたいのでしょうが(下手をすると泥仕合になりそうです)、実際、技術的にも政策目標の異なる施策同士の費用対比効果を計算するのは難しいのが実情です。同じ目的を達成するのに、どの施策がもっとも効率的かを比較するのは当然のことです。しかし、大抵の場合、まずは政策目標同士の優先順位があるので、目標達成のための施策の費用対比効果によって優先するべき政策目標が変わるのでは本末転倒ですのでそいうことはあまり無いはずです。

つまりは、施策のコストの定量はできますが、政策目標達成の効用の定量ができなため、費用対比効果の推定ができないのですから。

 



 

本日のトラブル

同じラボのK君のパソコンのハードディスクが飛んだ。本人はWindowsリカバリーを試みるも、
ハードディスクのデータを入れたディレクトリがコマンドプロンプトでも表示されないとのこと。・・・ん?じゃ、HDDは物理的には壊れていないかもしれないな。

データだけでも吸い出せないかとの相談を受けたので、KNOBのCD-ROMを貸してあげた。
Windowsで使われているHDDがマウントできれば、USBメモリや外付けHDDにデータを書き出せるかと思ったのだ。だが、結局USBメモリはオートマウントされたが、HDDはマウントできず。orz とりあえずメールが使えないと仕事にならないので、IPアドレスの割付を行い、Web mailは使えるようにしてあげた。

16時から出張だったので、その後の顛末は知らないがどうなったことやら・・・。
こういう泥沼状態でもLinuxが使える環境があることを知っているととりあえずはしのげることが分かったのは収穫かもしれない。