12日土曜日は、たまの休日出勤。空き時間に農林水産省のホームページで情報収集していると、

「ん?」

と私のアンテナに引っかかってきたものがあった。この告示改正のパブコメだ。

政府の役所の出す「告示」とは、法律の運用にあたって行政機関としての決定事項その他の事実を一般に示すための方法の一つ。規制にかかわる告示改正は30日間のパブリックコメントの募集を行うことが多い。

今回意見募集中の種苗法の手続きに関する告示は、「種苗法の規定に 基づき重要な形質を定める件」に関するもので、種苗登録を行なう際に品種の識別性を記述するた項目を決めるものだ。要するに、この告示の表でリストアップした形質で他の品種と特別がつかない場合は、新品種として登録することができない(・・・と思う。その辺の制度についてはあまり自信が無い)。

そこで、今回の告示改正でイネについて新しく加わった形質は「化学物質耐性」である。告示にリストアップされた形質は、種苗としての特性であり、いわば他の品種より秀でたことを証明するセールスポイントである。では、具体的にはどのような化学物質耐性があると、農業上他の品種より有利になるのか?

わたしには、そのような化学物質は、除草剤をおいて他に想像がつかなかった。穿った見方をすると、これは除草剤耐性以外の形質については、既存の日本型イネ品種と見分けがつかない遺伝子組換えイネを想定したものでは無いだろうか?今のところ、カルタヘナ法の手続きに従って商業栽培できる遺伝子組換えイネは無いが、近い将来品種登録されるのだろうか?

※ そういえば、カルタヘナ法施行前に愛知県農試がモンサントと共同で行っていた組換え除草剤耐性イネの開発を中断したことがあった。

仮に、この「化学物質耐性」が除草剤耐性だとしても、農薬取締法の規定では今のところラウンドアップやバスタのような非選択性除草剤は、イネの生育期間中に使用できる水稲用除草剤としては許可されていないはずなので、こちらも許可する場合は規制の変更にあたるため告示改正などの手続きがあり、パブコメが募集されるはずだ。注意して見ておこう。また、実用化の際には食品安全委員会パブコメも出されるはずだ。

しかし、日本の水田用除草剤としては、いわゆる「一発剤」のように水田の特性を上手く利用した超省力的な除草剤のあるので、労働力削減と言う意味では非選択性除草剤の施用はあまり意味が無いかもしれない(乾田直播を除いて)。最近の除草剤のトレンドも注目しておかねば。

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