iPS細胞要らずの治療法。毎日新聞より。

インスリン膵臓の分泌細胞、マウスで増殖に成功 血糖値4カ月で正常に−−慈恵医大

 糖尿病のマウスの膵臓(すいぞう)に特定の遺伝子を導入し、血糖値を調節するホルモン「インスリン」を分泌するベータ細胞を大幅に増殖させることに、東京慈恵会医科大が成功した。マウスの血糖値は約4カ月で正常値に戻り、寿命も健康なマウスと変わらなかった。研究チームは「ベータ細胞が少しでも残っている糖尿病患者の有効な治療法につながる可能性が高い」と話している。3月5日から東京都内で開かれる日本再生医療学会で発表する。

 研究チームは、細胞分裂の周期を早める働きを持つ遺伝子を組み込んだウイルスを、生後10週の糖尿病マウスの膵臓に直接注射した。注射前に1デシリットル当たり約400ミリグラムあった血糖値が、16週間後には約200ミリグラムと、マウスの正常値近くまで下がった。ベータ細胞の数を調べたところ、注射前の2・5倍に増えていた。

 実験で使ったウイルスは、遺伝子導入時にだけ働くタイプ。使った遺伝子もベータ細胞でしか働かないことが確認され、ウイルスや導入した遺伝子により、がんになる心配は少ないという。

 糖尿病は、ベータ細胞の数が減ったり働きが落ち、インスリンの分泌量が少なくなり、血糖値が高い状態が続くようになる。東京慈恵会医科大の佐々木敬教授(糖尿病・代謝・内分泌内科)は「遺伝子導入という手法を使うが、極めて高い効率でベータ細胞が再生された。臨床応用を目指したい」と話している。
【永山悦子】

再生医療というか、遺伝子治療と言うか、微妙な線ですね。

ベクターアデノウイルスベクターでしょうか。導入した遺伝子は”細胞分裂の周期を早める働きを持つ遺伝子”と言うことは、何らかの転写因子でしょうか。また、マウスの個体にウイルスを接種しているようですが、β細胞に特異的に感染するウイルスなんでしょうか。その辺の情報が全然ないとなんだかすっきりしない記事です。

2型糖尿病のモデルマウス?での治療モデルなのかもしれませんが、自己免疫疾患なので、一時β細胞が増殖しても、また免疫担当細胞に攻撃されてしまわないのでしょうか。

実験の設定が分からないので何も判断できません。困ったものです。

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