「求む応援団」と言ったところでしょうか。文部科学省行政刷新会議事業仕分けに対する国民意見の募集をホームページでしています。

文部科学省の意見募集

行政刷新会議事業仕分け対象事業についてご意見をお寄せください

(募集期間は予算編成にいたる12/15まで、とありますが早めの方が文科省理論武装に役立つでしょう)

新聞であまり取り上げられないところに新聞社の阿りを感じましたので、このblogではあえて取り上げます。

文科省、仕分けの“反論”募集 政務三役が指示、HPで

 文部科学省は16日、「廃止」など厳しい判定が相次ぐ行政刷新会議事業仕分けの結果について、ホームページ(HP)で意見募集を始めた。川端達夫文科相ら政務三役が指示。ネットで“反論”を集め、年末の来年度予算の編成で巻き返しを図りたいとの思惑があるようだ。

 HPには、今月11日と13日に仕分け対象となった文科省の16事業と行政刷新会議の判定結果を記載。意見の提出先として副大臣政務官のメールアドレスを明記しており、締め切りは12月15日。   

 文科省は募集の理由について「国民の声を財務省との折衝など予算編成に生かしていくため」と説明している。

 
文科省の事業では、これまでに次世代スーパーコンピューター開発事業(来年度概算要求267億円)が「予算計上見送りに限りなく近い削減」とされたほか、
子どもの読書活動の推進事業などが「廃止」と判定された。省内では「短時間の議論での乱暴な判定だ」などと不満が高まっている。

2009/11/16 22:12   【共同通信

事業仕分け対象のステークホルダーに研究者が多い文科省では、これは有効な対抗手段だと思います。一般のパブコメの場合も関連学会や業界団体などから意見が寄せられる場合もありますが、それもまた国民の意見の一つのかたちです。

「短時間の議論での乱暴な判定だ」という見解自体は間違っては居ないと思いますが、問題はむしろ一種の見せ物めいた議論のプロセスではなく、議論の結論です。短時間の議論だから判定が乱暴なのではなく、ものの見方自体がそもそも乱暴なものが混じっています。

”競争的資金(若手研究育成)”に対するコメント、

●若手研究者が安定して働き研究できる場所を見つけるための国の政策を若手にこだわらず再構築。

これなどは、研究者も何時まで若手で居られる訳ではないので、もっともな意見だと思いますが、今ある制度を縮める前に新しい施策を展開しないと、制度の乗り換えができません。

一方、

ポスドク生活保護のようなシステムはやめるべき。本人にとっても不幸。(本来なら別の道があったはず)。

こちらはまるで、”道を誤ってポスドクになってしまった”ような言いぶりが混じっています。この時代、ポスドクを経ずにテニュアにつけるなら僥倖というべき。それとも、科学を志すこと自体が人生の無駄遣いだとでも考えているのでしょうか。何なんでしょうかね、この俯瞰的な視座に立った大所高所からの議論は(・・・上から目線とも言う)。しかも匿名だし。

今回の意見募集は、研究者が自分の名前で行政にもの申す一つの機会です。状況は決して良くありませんが、ポスドクであれ、教授であれ、一人の国民として、そして一人の科学者として、公平な立場で意見を述べることができる希有の機会です。

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