行政刷新会議は年明けから独法見直しに取りかかる模様。読売新聞より。

行政刷新会議、9項目の予算見直し指針を決定

 政府の行政刷新会議(議長・鳩山首相)は19日、首相官邸で会合を開き、2010年度予算の概算要求から無駄を洗い出す「事業仕分け」の前半5日間の結果を踏まえ、仕分け対象としない類似事業も含め、各省が予算を見直す際の9項目の指針を決めた。

 仙谷行政刷新相が提示した「独立行政法人などの過剰な基金返納」など8項目に加え、首相の提案で「地方に権限・財源を移管する方向で見直す」を追加した。独立行政法人については、年明け以降に制度のあり方も含め、抜本的に見直す方針も確認した。

 一方、前半で仕分けチームが出した241事業の判定結果については、この日の会合で了承する予定だったが、次回会合に先送りした。次世代スーパーコンピューター開発費の大幅削減など、判定結果に強い異論が出ている事業があり、閣僚間の調整が必要だと判断した。

 また、仕分け人に国民新党亀井亜紀子参院議員と民間人4人を加えることも決めた。24〜27日の後半の作業に加わる。

 19日に決めたその他の指針は次の通り。

 ▽省内や他省庁間での類似事業の重複排除▽補助金交付での不必要な団体の関与排除▽モデル事業は必要性、効果を厳格に検証▽広報、イベント経費は費用対効果を検証し、予算削減や重点化▽情報技術(IT)調達の導入・運用コスト見直し▽独立行政法人公益法人向け支出の必要性検証▽特別会計の必要性検証

(2009年11月19日21時47分  読売新聞)

科学も技術も人から人へと伝承されます。自然科学の大抵の研究は、論文だけで伝承できるような単純なものではなく、熟練工の技のようなものや、チーム内の分業の仕方など、非言語的なノウハウに支えられています。

文化大革命によって中国は多くの科学者、医師、技術者、教師を失い、彼らが担ってきた多くのノウハウが一旦は廃れてしまい、回復するまでに多くの時間を費やしました。独法の廃止が”日本版の文化大革命”にはならないことを祈るのみです。そうなれば少なからぬ研究者が海外に逃れ、二度と日本には帰れなくなるかもしれません(ある程度年をとって、生活基盤を築いてしまうと国外に出るのも、帰国するのも大変です。下村先生みたいになれれば良いのでしょうが。そして、この国では科学者を目指す学生が激減することでしょう)。

# さりとて、国家公務員になってしまうとやりにくくなる仕事も多々あり・・・。

仮に、独法が国の機関に戻るのであれば、たとえば組換え作物の第一種使用を意図した場合、これまでは独法の理事長が第一種使用の申請を農水大臣に対してしていたが、国の機関になった場合は権限の委譲はどうなってしまうのか? これまで独法が申請してきた特許、種苗、ソフトウエアなどの知財の権利はどうなるの?とか、独法の方が同年齢でも基本給は安いんだけど人件費はかえってかさむなぁ(じゃぁ、解散するか?)、とか・・・。

年明けといえば、例年は1月末くらいから各省庁の競争的資金の公募が始まるのだけれど、来年は応募できないかもしれないなぁ。それならまだいいけど、とりあえず応募だけしろと言われるのが一番悲しいなぁ(書類を揃えたり、連絡調整したり、打ち合わせの会議をしたり、不毛な作業が延々と続くかと思うと)。

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