以前のエントリーで取り上げたトピックですが、読売新聞によると、FDAが米国内向けに警告していた生トマトが原因と見られるサルモネラ菌による食中毒についての警告が解除された模様。

「トマト生食OK」米当局が警告解除…中毒の原因は不明

 米食品医薬品局(FDA)は17日、6月7日に出した「トマトの生食はサルモネラ中毒の恐れがある」との警告を解除した。

 汚染源は不明のままだが、患者が多発した4〜5月の産地はすでにトマトの収穫・出荷が終わったという。

 患者はその後も増えて1200人を超えたが、最近の患者についてはトマトとともにサルサソースなどに使われる香辛料が疑われている。(ワシントン・増満浩志)

(2008年7月18日11時09分  読売新聞)

 FDAによる警告解除のオリジナルはこちら

# 新聞記事ってどうしてこういうオリジナルのニュースソースを書かないのかね。

 ちなみに、「サルサソースなどに使われる香辛料」とは、"raw jalapeno and rawserrano peppers"(ハラペーニョとセラノペッパー、ともにある種のトウガラシ)とのこと。

 今回問題になっている食中毒の原因菌の"Salmonella Saintpaul "なんて、その辺に普通にいる細菌なのでどこでコンタミしたのだか。中毒事例ごとに細菌の遺伝子型を決めないと特定は難しいだろう。

 ちなみに、Salmonella属細菌の学名は、ここ数年の間で見直されており、種のレベルでは病原性との関連が一意には決まらないため、血清型(serovar)による分類が導入されている。FDAの言うところの"Salmonella Saintpaul"という種は存在しない。種名としては"Salmonella enterica subsp. enterica serovar Saintpaul"になるので、相当に簡略化した表現だ。

 文部科省のカルタヘナ法二種告示ではSalmonella属細菌の学名が古いままなので、次の見直しのタイミングでは改正されることだろう。

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