SDS-PAGE用のサンプル抽出法としての酵母タンパク質のalkaline prep.

オリジナル

Kushnirov, V. Rapid and reliable protein extraction from yeast

http://www3.interscience.wiley.com/journal/72504790/abstract?CRETRY=1&SRETRY=0

改良版

von der Haar, T. Optimized protein extraction for quantitative proteomics of yeasts.

http://www.plosone.org/article/info:doi/10.1371/journal.pone.0001078

試してみたら簡単便利。培養液150-200 μL相当(OD600=2.0-5.0)までスケールダウンして、細胞をボイルするステップにサーマル・サイクラーを使えば大量処理もできる。粗タンパクの抽出効率はグラスビーズによる破砕よりは劣るが、きわめて簡便でチューブ1本で処理できる点では非常に優れている。

ただ、アルカリでポイルすると膜タンパクは凝集するので、その用途には向いてないとの情報あり。しかし、電気泳動の際にwellにスタックすることは無かったので、まずは試してみる価値はある(膜タンパクが完璧に不溶化して沈殿している可能性は否定できないが)。

オリジナルを見るとbeta-MEの効果が絶大なことがわかる。あるのと無いのとでは細胞からのタンパク質のリリースの効率が格段に違う。プラスミド抽出や形質転換の際にもbeta-MEやDTTで効率が上がるという論文もあり(大抵入れているし)、酵母細胞壁をゆるめるには、この種の還元剤が良く効くのかもしれない。

・・・けど、酵母のコロニーPCRに還元剤を入れると言う話は聞かないな。今度入れてみよう。多分、beta-MEの0.1-1%で十分だろう。細胞壁を緩くするというのが本当なら、それなりの効果はあるはずだ。

澱粉の多い植物組織からのタンパク質抽出からみると、酵母は簡単です(特殊なものはわかりませんが)。
 

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